企業が欲するのは「ジェネラリスト」
今求められているものとは
クラウドにビッグデータ、人工知能のAIに続き、「モノのインターネット」であるIoTへの注目度は急上昇の一途ですが、それに伴ってIoTのスキルがあるエンジニアの確保も急務になっています。しかし意外なことに、IoTに関する専門性の高いエンジニアよりも一般のエンジニアの方がむしろIoTの開発現場で活躍しているというのが現状です。ではどうして今そのような現象が発生しているのでしょうか。
はっきり理解できていないという根本的な問題
IoTを導入する企業とIoTにかける企業の投資額は増えており、これからIoTを本格的に導入する予定の企業もかなりの数に及ぶことから、今後さらに多くの資金がIoTに注ぎ込まれると予想されています。しかし、現場には根本的な問題がIoTプロジェクトの進行を阻んでいるという事情も存在します。多くの企業において、IoTを導入するということが企業にとってプラスになるという漠然とした意識でただプロジェクトだけが発足されていて、具体的なことを社内でほとんど検討できていない状況があります。なぜそのような事態になってしまうかというと、そもそもIoTに関して深く理解している人材がまだ全体的に少なく、IoTが必要なことは理解していても、それをどうすればいいのかがはっきりわからないのです。そうなると、チームはあってもそれを牽引することが誰もできなくなってしまって、形のはっきりしないプロジェクトになってしまうのです。この問題は日本だけではなく世界的に見られる現象で早急に解決すべき問題でもあります。
スペシャリストよりジェネラリスト
企業に求められている人材はIoTに特化したスペシャリストよりも、分野に特化せず汎用的な技術を持つジェネラリストです。IoTを導入しようとしている企業がIoTに関して理解していないなら、スペシャリストの方が必要なのではと思うのが普通ですが、IoTの現場に今必要とされているのは圧倒的にジェネラリストの方です。なぜならば、エンジニアが現段階で持っているIoTに関する知識や技術がなくても、エンジニアとしての能力があればあとは現場で企業と一緒にIoTについて学んでくれればいいという考え方があるからです。もちろんIoTエンジニアとして高いレベルの技術を持つスペシャリストであればそれに越したことはありませんが、エンジニアとしてのレベルが高ければ、ゆくゆくはIoTの優秀なスペシャリストとして活躍できる可能性があるとも考えられるので、今後様々な現場においてIoTの研究開発が進んでいけば、自然とスペシャリストの数は増加してくることになるでしょう。