IoTの進化と今後の未来
IoTの未来を切り拓く5Gの影響
IoTの進化において、5G技術の導入は非常に重要な役割を果たしています。5Gの特徴として挙げられるのは、従来の通信技術よりデータ転送速度が非常に早い点、同時接続数が多い点、超低遅延が可能な点などです。5Gの登場によってIoTデバイスがリアルタイムで情報をやり取りできるようになったため、汎用性の高いサービスや製品の開発が期待されています。
例えばスマートシティの構築で欠かせないのは、交通管理やエネルギー効率の最適化です。5Gの低遅延特性を活かすことで交通信号の制御や公共交通機関の運行状況をリアルタイムで把握できるようになるため、効率的な運行が可能になります。また、遠隔医療の分野でも、5GはIoTの重要な基盤を担うといわれています。5Gの導入により、医師がオンライン上でリアルタイムで患者の状態をモニタリングできるだけでなく、治療を行うことも可能です。
また、近年はIoTシステムを構築するべく、ローカル5Gを導入する企業や自治体も増えています。ローカル5Gとは、企業や自治体が敷地内だけで利用できる、エリア限定の5Gネットワークです。大手キャリアの5Gと比較して、通信障害やサイバー攻撃などのリスクを回避しやすいという特徴があります。今後ローカル5Gの普及が進めば、IoTの可能性はさらに広がるでしょう。
AIとの融合が生む新たな価値
IoTとAIの融合は、今後の技術革新において重要なトレンドになるでしょう。IoTとAIが融合することにより、自動化・効率化が進む、高度な分析や予測が可能になる、セキュリティの強化につながるなどのメリットがあります。
そもそもIoTとAIは、互いになくてはならない存在です。IoTが性能アップするには、センサーからビッグデータを読み取り、高度に処理する能力が必要になります。この処理作業で重要な役割を担うのがAIです。一方でAIがデータを分析・活用するには、スキャナやカメラといったIoTデバイスが欠かせません。そのためIoTとAIが互いに進化すればするほど、活用の幅が広がっていくでしょう。
持続可能な社会の実現に向けたIoTの貢献
IoTは、持続可能な開発目標（SDGs）の達成にも寄与することが期待されています。その理由は、SDGsと連携する、「Society（ソサエティー）5.0」の推進が提唱されているためです。Society5.0は、狩猟社会「Society1.0」、農耕社会「Society2.0」、工業社会「Society3.0」、情報社会「Society4.0」に続く社会のことです。現実空間と仮想空間を融合したシステムによって社会問題の解決や経済発展などを叶える人間中心の社会と定義されています。その実現を支えるのが、IoTやAIなどの先端技術です。IoTで得た大量のビッグデータをAIで解析・処理し、人の仕事の一部をロボットが代行・支援する…そういった社会こそ、Society5.0が目指す社会です。
IoTエンジニアになることで、こうした社会の実現に大きく貢献することができます。国を挙げた施策のため技術革新は今後さらに進むと思われるため、IoTエンジニアは最先端の技術に触れながら幅広い分野で活躍できるでしょう。
